鉄板を捨て花柄を纏ったシンボル。


なーんとなく久しぶりに

「Drマーチン」

が履きたくなった。

ロンドンパンクの象徴というべき例のアノ靴。

チェリーレッドの8ホールに白い丸紐。
爪先には安全靴よろしくの鉄板入り。

高校生の頃、愛読していた雑誌の中の貧乏でヘアスプレー買う金も無く
砂糖水で髪の毛立ててるイギリスのパンクスの足元には殆どDrマーチンが履かれていました。

しかし田舎すぎてDrマーチンを売ってる店は無く変な軍物払下げ品を扱ってる店で
安全靴ブーツを買ってお茶を濁していた当時の僕。

大阪に移り住み、学校の課題に追われる日々。
授業が終わり週6で終電ギリまでバイトしても生活がやっとの中

「これを買うと昼飯代が無くなるぞ」

という天使の囁きを無視して買ったDrマーチン。

案の定、昼飯代どころか電車賃も無くなり吹田-心斎橋を1か月程、自転車で学校に行く羽目に。

それでも嬉しくて毎日の様に履いてました。
数少ない仲良かった学友に

「その紐の通し方はパンクじゃないぞ。それやったら狩られるでー」

と言われ紐の通し方を教わったりした。

余談だが当時(90-93年くらいだったかな)ファッション界では
「パンクファッションリバイバル」な流れが有り

アメリカ村をうろつく若者の中に多くの所謂「ファッションパンク」な方が居ました。
そういや異常な位、無印良品の自転車が流行ってた記憶も。

そんなファッションパンクの若者を、まるで「ナイキエアマックス狩り」の如く
ハードコアの人が狩っていたのです。(誰も書かないアメリカ村の歴史)

コレ書きながら思い出したが、なんかの製作の授業の時に後輩学年の人らと作業する事が有って
その中の1人の女の子が「アタシってほらロリータパンクだしー、だからエックスとか聴くしー」と衝撃発言をして、その場の全員が固まった事が有ったな。

まあ、そんなこんなで本当にボロボロになるまで履いてたDrマーチン。

バンド中心で動くようになって打ち上げ等で座敷の居酒屋に入る時、急いでる時、事ある度に
脱いだり履いたりが非常に面倒なのに履き続けたてた訳ですが

なんか知らんが何時の間にか履かなくなっちゃったんだよね。
年を重ねると共に

「スニーカーらくちーん!」

ってなってしまった様です。

しかし何故か先日、急に「ブーツ履きたい!マーチン履きたい!」
と思い立ち、ちょいと調べてみると・・・・


なんだ・・これは・・・?

なにこのサイドの刻印・・・履き口の黒ステッチ・・・・
爪先が尖がっている・・・?

スエード・・・?ハイヒールタイプ?

は?・・・・花柄模様だ・・・と?



殆どのモデルに鉄板が入ってないだと!!??
鉄板が入って無いだなんてマーチンじゃないじゃない!

ぬぬぬぬ!なんと!既にホワイト社はマーチンを作って無いだと!?
ホワイト社が作る方が爪先が丸くてカッコいいのに!

唯一、サイドゴアはクラシックなマーチンのラインのままか・・・・。


約20年。僕が知らない間にマーチンは狩られていた方へ迎合してしまった様です。

水色時代

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