ほんこんっ!(キョンシー編)


ええ、まだ続くんですよ香港映画の話。

カンフー映画、Mr.Boo!シリーズと続いたら、どうしても触れて置きたいシリーズに


「キョンシー映画」が有ります。


しかし日本でキョンシー映画の話をすると多くの方が

「テンテンちゃん可愛かったよね」と云った事を言うんです。


ちょっとまって!



それは・・・・


本家「霊幻道士」のヒットを受けて台湾で製作の亜流作品「幽幻道士」の事ですよ!
で、その「幽幻道士」のヒットを見てTBSが出資して台湾で撮影したのがTVドラマ「来来キョンシーズ」ですよ!

それはさておき、このキョンシーって化け物ですが個人的には良く出来た設定の化け物だなあと思ってるのですが如何でしょう?

ザックリ説明するとゾンビ+吸血鬼+カンフー。といった感じで
色々とストーリー展開がしやすいなあと。

実際このキョンシー映画ってやつは当時流行っていた物の美味しい所取りだったんです。

今では嘘みたいな話ですが当時「ホラー&スプラッタ映画ブーム」って有ったんですよ。
現在じゃ一部の作品を除いてビデオスルーでしか新作ホラーを観れなかったりします。

が!当時は「デモンズ」みたいな「13金」や「ハロウィン」や「エルム街」に比べたら
「ちょっとマイナー」扱いされるような物でさえ

全国一斉ロードショー扱いで「GWいちおし映画」なんて扱いされちゃったりだったんです。

80年代中期は、まだまだ「映画」が「娯楽ヒエラルキー」の上位に居たので
春休み、GW、夏休み、お正月に併せて大物を突っ込んでくるわけです。

僕と同世代の方なら長期休暇の時に家族で「ゴーストバスターズ」や「グーニーズ」や「グレムリン」を観て
デパートのレストラン街でハンバーグステーキを食べて御年玉握りしめ玩具売り場でファミコンソフトを吟味して・・・

なんて経験が有る筈だ!

ええ、そんな風に家族で映画を観に行くような時代にホラーブームですよ!

しかも当時は結構「同時上映」が当たり前で・・・・

って若い子は「同時上映」から説明が必要かしら?
つまり2本立てってやつでして1本の値段で2本観れるんですよ。

しかも実際は現在の映画館みたいに各回完全入れ替え制じゃないので
退館しないかぎり1回分の料金で1日観れちゃうんですよ。

僕も中高生の頃に「この映画面白い!もう1回観る!」と席を立たずに次の上映回も観た。って事が何度かあります。

で、その同時上映なんですが結構とんでもない組み合わせも多かったんです。
僕の観た中だとアイドルの西村知美が主演してた「動物物ほのぼのアイドル映画」の「ドン松五郎の生活」と
リーリンチェイ主演のカンフー映画「少林寺-阿羅漢」とか。

有名な所だと「ドン松五郎の生活」の続編「ドン松五郎の大冒険」とゾンビ映画「バタリアン」の続編「バタリアン2」が同時上映とかね。

まあ、そんな感じでホラー映画が1ジャンルとして友好的に扱われていた時期が有ったんです。
(M君事件が起こるまではね・・・)

そして同じく人気のあったカンフー映画と同じくヒットしていたMr.Boo!的な香港コメディ。

そんな3つの要素を上手く取り込み仕上げたのがキョンシー映画「霊幻道士」だったんです。
制作総指揮にサモハンキンポー、出演にリッキーホイと正に「カンフー&コメディそしてホラー入れたらこうなりました」
って布陣ですね。

このキョンシーって化け物のキャラも立っていたので余計にヒットしやすかったんでしょうね。

カンフー、ホラー、キョンシー、この3つが本当に流行っていたのかは若い世代の方からみたら嘘に聞こえるでしょうが確かに流行っていまして90年代にはブームは完全に下火でした。

「流行が顕著に現れる」で御馴染みの「コロコロコミック」に当時連載されていた漫画のタイトルを見ると・・・

「あほ拳ジャッキー」1983-87
「魔界ぞんべえ」1986-88
「ニイハオ!キョンシー君」1989-90

いや見事ですな。

水色時代

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